BDNF-dependent modulation of axonal transport is selectively impaired in ALS | acta neuropathol commun (2022)
Tosolini, A.P., Sleigh, J.N., Surana, S. et al.
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ALSは主に運動ニューロンに関する神経疾患症である
中でも、Axonal Transportの変異がALS様の遺伝子改変マウスで異常が確認されている
特に、運動ニューロンのうち素早い動きに寄与するFMNs特異的に異常が見られる FMNsが支配してる筋肉のうち、
前脛骨筋(TA(速筋))は神経筋接合部(NMJ)の変異がALSの初期に見られる
ヒラメ筋(遅筋)は病変に抵抗性がある
この原因の1つとして、ALSが筋繊維のタイプを速筋から遅筋へと転換させる
この転換は解糖系速筋の代謝システムの変化?が関与している
この転換はNMJの変異に先行する
速筋から遅筋への転換はBDNFを除いたマウスでも観察された
BDNFは解糖系筋線維型の同一性を制御していることを報告されている
BDNFは受容体であるTrkBと$ p75^{NTR}に結合することで、神経の成長や維持に働く
ALS患者の脊髄では
TrkBを介した細胞内シグナリンの異常
$ p75^{NTR}発現量の増加
を引き起こす
BDNFに関する知見は溜まってきているが、BDNFがNMJでどのように働いているかはわかっていない
これにより、ALSにおけるMNの選択的脆弱性に関する新たな手がかりを得ることができる。
この研究では、
野生型(WT)マウス
SOD1G93Aマウス
異なるα-MNサブタイプの軸索におけるシグナル伝達エンドソームの軸索輸送ダイナミクスを評価した。
BDNFは野生型のFMNにおける逆行性輸送の速度を上昇させた
ALSマウスでは、
TAを支配するFMNで輸送が制限され、BDNFにも応答しなかった
筋肉、坐骨神経、シュワン細胞において、切断されたTrkBアイソフォームと$ p75^{NTR}のレベルが上昇していた
ALSの病態におけるBDNFシグナルの細胞、非細胞の自律的な調節異常が明らかになった。
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Naa_tsure.iconぐだったので整理する
Naa_tsure.icon不明ポイント:なぜ速筋を支配する運動ニューロン特異的に起こるのか?(メカニズム)
この時、運動ニューロンが支配している筋肉が速筋→遅筋へ転換することが知られている
BDNFの欠如がALSの原因なのでは?
BDNFはどのようにAxonal Transportに影響を与えるのか?
BDNFがAxonal Transportに与える影響は、
遅筋を支配するSMNs
速筋を支配するFMNs
で、異なるはず。
これがALSにも効いているのであれば
ALS様マウス$ SOD1^{G93A}にBDNF刺激を与えればレスキューできる(?)はず
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BDNF刺激を行った際に、MNにおけるAxonal Transportに関する特性の変化を見た
Naa_tsure.iconこれどうやってInjectionしてるの?遺伝子導入してMNsで発現させてる?
BDNF刺激によって、
BDNF刺激はFMNにおいて特異的に軸索輸送ダイナミクスを増強する
ALS様マウス$ SOD1^{G93A}にBDNF刺激を行い、その変化をWTと比較(In Vitro)
BDNF刺激をしない条件で、WTとSOD1マウスのAxonal Transportの性質に差は見られなかった
Naa_tsure.icon発達自体に差はないことを確認
BDNF刺激によりWTは移動速度が上昇したが、SODマウスは移動速度に変化が見られなかった
SODマウスのMNsはBDNFによるAxonal Transportの影響を受けない
ALS様マウス$ SOD1^{G93A}にBDNF刺激を行い、その変化をWTと比較(In Vivo)
BDNF刺激をしない条件で、
FMNsではWTがSOD1(P73とP90)よりAxonal Transportの移動速度が早かった
SMNsではWTとSOD1(P73とP90)でAxonal Transportの移動速度に差は見られなかった
ALSではFMNs特異的にAxonal Transportに異常が生じている
BDNF刺激条件で、
SOD1マウス(P73とP90)は刺激の有無で移動速度・停止時間に変化は見られなかった
WTでは移動速度の上昇・停止時間の短縮が見られている
ALSではFMNsのBDNF感受性が失われている
TAとヒラメ筋のBDNFとその受容体の発現レベルをウェスタンブロットで比較
BDNFの量はTAでヒラメ筋より多かった
受容体に関して、
TrkB.FLはTAとヒラメ筋間で差が見られなかった
分離したTrkBはWTよりSOD1マウスでで多く見られ、この傾向はTAとヒラメ筋の両方で見られた
p75はヒラメ筋でのみWTよりSOD1マウスで多く見られた
筋肉内におけるBDNF受容体の量がALSによって変化(増加)する
免疫染色によってNMJにおける総TrkBとp75NTRのシナプス発現を評価した。
Naa_tsure.icon観察されたニューロトロフィンレセプターの変化がシナプスに限局しているかどうかを調べる
シナプス前軸索末端:シナプトフィシン(Syn)とβIII-チューブリン(TUJ1)の複合染色
シナプス後領域:⍺-ブンガロトキシン(⍺-BTX)で標識
終末シュワン細胞:S100抗体で染色
WTとSOD1マウスで受容体の発現量を比較したが、TAでもヒラメ筋でも差は見られなかった
筋肉内での受容体量はALSによって変化するが、NMJで変化が起こっているわけではない
坐骨神経全体で受容体の発現レベルを比較
筋肉と同様に、TrkB.T1とp75の量はSODマウスで増加していた
この増加は神経からなのか、シュワン細胞からなのか?
免疫染色によって各細胞における総TrkBとp75NTRの発現量を評価した。
TrkBはWTとSODの間で差が見られなかった
Naa_tsure.iconここ謎過ぎる
p75ではシュワン細胞にてWTよりSODマウスにおける発現量が多かった
坐骨神経におけるTrkB.T1とp75シグナルの自律的な調節不全がSOD1の病態に寄与?
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